2005年MYベスト10
去年読んだ綾辻行人先生の「十角館の殺人」以来、主に国内のミステリ作家さんに目を向けるようになりましたが、今年は所謂「新本格」の作家さんに以外も積極的に読んだ年だったと思います。
これまで未読だった京極夏彦さんや乙一さん、東野圭吾さんとベストセラー作家を読む様になったのは我ながら意外でしたw
他にも伊坂幸太郎さんや光文社の登竜門出身者といった若手作家さんを読む事で世界が広がりました。
そんな中で今年自分なりに楽しめた作品を便宜上順位付けしたのが以下のランキングです。
去年は場当たり的に年末にやったので数が多すぎて苦労したという経験を生かし、今年は上半期と下半期と称して2度のランキングを長編と短編の部門に分けて行い、その上で年間ランキングを作成しました。
幾つかの作品は年間ランキングで大きく順位を上下させていますが、それは年間ランキングを作るまでの心境や趣向の変化が影響したものとなっております。
<長編部門・上半期ベスト10>
1位・有栖川有栖 「双頭の悪魔」
2位・石持浅海 「アイルランドの薔薇」
3位・伊坂幸太郎 「ラッシュライフ」
4位・麻耶雄嵩 「蛍」
5位・西澤保彦 「七回死んだ男」
6位・倉知淳 「壺中の天国」
7位・殊能将之 「黒い仏」
8位・倉知淳 「過ぎ行く風はみどり色」
9位・歌野晶午 「葉桜の季節に君を想うということ」
10位・伊坂幸太郎 「オーデュボンの祈り」
<長編部門・下半期ベスト10>
1位・殊能将之 「鏡の中は日曜日」
2位・乙一 「暗いところで待ち合わせ」
3位・石持浅海 「扉は閉ざされたまま」
4位・滝本竜彦 「NHKにようこそ!」
5位・上遠野浩平 「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ」
6位・小野不由美 「くらのかみ」
7位・西澤保彦 「夏の夜会」
8位・殊能将之 「キマイラの新しい城」
9位・泡坂妻夫 「しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術」
10位・東野圭吾 「魔球」
<長編部門・年間ベスト10>
10位・歌野晶午 「葉桜の季節に君を想うということ」
上半期9位から一気にランクアップですが、やはり再読すると爆笑必死の仕掛けは大好きですww
歌野さんの作品では「安達ヶ原の鬼密室」を抜いて最も好きですね。
9位・倉知淳 「壺中の天国」
第一回本格ミステリ大賞を受賞した電波系ミステリw
従来のミステリからかけ離れているという印象を受けた作品で斬新さは倉知さんならではですね。
8位・石持浅海 「扉は閉ざされたまま」
倒叙もの大好きな私にとって見逃せない作品。
石持さんは若手の作家さんの中でも大注目なので来年も活躍を期待しております♪
7位・殊能将之 「黒い仏」
ある意味では今年のベストですw
前作「美濃牛」は、この作品の前フリなのではと思える真相とセンス抜群のラスト1文は眩暈を感じましたww
6位・西澤保彦 「七回死んだ男」
西澤さんのSF的設定の作品の中でも最高傑作と言われるだけあって全編にスキの無い作品ですね。
特にトリックには完全にやられましたが、大満足ですw
5位・殊能将之 「鏡の中は日曜日」
「黒い仏」とは、また違った意味のブラックユーモア溢れる傑作。
名探偵・石動戯作の活躍がまた読みたいですw
4位・乙一 「暗いところで待ち合わせ」
乙一さんの長編の中で最高に好きです!
最近、小説を書いていないようなのが残念ですね・・・。
3位・石持浅海 「アイルランドの薔薇」
最後の最後まで楽しませてくれた石持さんのデビュー作。
ミステリとしてだけでなく、物語としても十二分に読ませてくれます。
2位・有栖川有栖 「双頭の悪魔」
有栖川さんの作品でも屈指の名作だと思います。
お願いですから、来年こそは「学生アリス」の新作を・・・。
1位・伊坂幸太郎 「ラッシュライフ」
一級品の群像劇にミステリ的な要素を絡めた大傑作ですね。
先にデビュー作「オーデュボンの祈り」を読んでおいて良かったです。
作品間のリンクで楽しさ倍増ですよ♪
<短編部門・上半期ベスト10>
1位・麻耶雄嵩 「名探偵 木更津悠也」
2位・倉知淳 「猫丸先輩の推測」
3位・西澤保彦 「謎亭論処 匠千暁の事件簿」
4位・泡坂妻夫 「亜愛一郎の逃亡」
5位・奥田英朗 「空中ブランコ」
6位・倉知淳 「幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート」
7位・鯨統一郎 「新・世界の七不思議」
8位・泡坂妻夫 「亜愛一郎の転倒」
9位・有栖川有栖 「絶叫城殺人事件」
10位・泡坂妻夫 「奇術探偵曾我佳城全集」
<短編部門・下半期ベスト10>
1位・乙一 「GOTH(夜の章・僕の章)」
2位・京極夏彦 「続巷説百物語」
3位・矢崎存美 「ぶたぶた」
4位・東野圭吾 「超・殺人事件」
5位・西澤保彦 「黒の貴婦人」
6位・東野圭吾 「名探偵の掟」
7位・光原百合 「十八の夏」
8位・乙一 「平面いぬ」
9位・喜国雅彦 「本棚探偵の冒険」
10位・米澤穂信 「氷菓」
<短編部門・年間ベスト10>
10位・鯨統一郎 「新・世界の七不思議」
前作をも凌ぐ歴史検証バトルに興奮しましたw
ミステリーズでの連載終了後、速攻で文庫化してくれた東京創元社に拍手!
9位・西澤保彦 「黒の貴婦人」
こちらも予想外に早く文庫化された作品で幻冬舎に拍手!ww
来年こそ「タック」シリーズ最新作の肩書きが無くなるのを願っております・・・。
8位・泡坂妻夫 「亜愛一郎の逃亡」
「亜愛一郎」シリーズ最終巻です!
探偵や登場人物、提示される謎もユニークで素晴らしい3部作でした♪
7位・奥田英朗 「空中ブランコ」
阿部寛主演のドラマ化も最高に面白かったですね♪
いい加減「イン・ザ・プール」を読みたいです・・・。
6位・東野圭吾 「超・殺人事件」
ブラックユーモア全開の問題作w
とにかく、のっけから大爆笑間違いないです!w
5位・矢崎存美 「ぶたぶた」
ついに年間ランキングで5位に入れてしまった「ぶたぶた」
5位という事は5指に数えられるという事ですよねw
でも、それだけの面白さがあるので未読の方は是非!!
4位・京極夏彦 「続巷説百物語」
ほとんど中篇集の様な分厚い作品ですw
雰囲気の良い世界観は流石ですし、ラストシーンも衝撃的であり印象的でした・・・。
3位・倉知淳 「猫丸先輩の推測」
猫丸先輩の妄想推理全開のシリーズでも屈指の短編集だと思います!
唐沢なをきさんのイラストが付くと嬉しさ倍増ですね♪
2位・麻耶雄嵩 「名探偵 木更津悠也」
東野さんとは違った意味でブラックユーモア溢れる麻耶さんの大傑作。
「翼ある闇」を読んでから手に取ると楽しさが10倍になるというか、先に読まないと絶対後悔します!
1位・乙一 「GOTH(夜の章・僕の章)」
下半期ランキングに続いての1位ですが、これは迷わずに決定できました。
一風変わったダークな世界観とミステリとしても本格ミステリ大賞を受賞するだけあって仕掛けが凝っているのが大好きですね。
蛇足ながら付け加えておくと今年の下半期ランキングは11月末までに読んだ作品から選んでおり、今後は半年毎にランキングを作って行きたいと思います。
すなわち、次回は来年の5月末までに読んだ作品で2006年の上半期ランキングという形になります。
その時に苦労してランキングを作れるような充実した読書ライフを来年も送りたいと思います♪